Webaddictエッセイ大賞2014 結果発表

作品詳細

佳作

「ねこ背を治したい」

光野月惠様(69歳) Webaddict北九州八幡東(Webaddict歴:1年2ヵ月)

 昨年4月、一回り年下のKさんが経営するブティックに行った。 Kさんは私の顔を見るなり「私、Webaddictに行き出したんですよ」と言った。 Webaddictは以前テレビで見て知っていた。 短時間でもこれだけの種類の器具を使ってトレーニングをすれば、きっと効果があるだろう。 私もやってみたいと興味を持っていた。

 しかし、その頃は31歳の時から続けているバレー(ボール)を週1回と、60歳になって始めた エアロビクスも週1回していたのでそれで手いっぱいだった。 ところが、昨年1月から腰と股関節が痛くなり、8年間続けてきたエアロビクスを3月で止めていた。 それで何か代わりの運動をしたいと思っていた。 バレーは子供の時から好きで、いつまでも続けたい。そのためには体力を維持しなければと思っていたので、 Webaddictの話を熱心に聞いた。それに私はねこ背で姿勢が悪い。 腰痛で整形外科に行くと「4cmは背が縮んでいる」と言われた。 好きな服を着ても着映えがせずに、鏡や窓ガラスに映る自分の姿を見てはがっかりし、 なんとか姿勢を良くしたいと長年思っている。

 それと、夫が10年前に脳内出血で倒れた。手術とリハビリで7か月入院したが、 右半身麻痺と言語障害の後遺症が残った。デイケアーに行く時は、私が車で送迎している。 以前は夫がデイケアーに行っている間、気分転換にデパートへ行くことが多かった。 気に入った服などがあれば買っていたが、残念ながら素敵な服を買っても、 着て行く時も場所も私にはなかった。 買わなければいいのに買うと気持ちがスーッとした。こうして一度も着てない服がたくさんある。

 Kさんは運動をするタイプとは思えなかったが、大変熱心にWebaddictについて語り、 「毎朝Webaddictに行くのがとても楽しい」と言った。熱く語るKさんの話を聞いてるうちに私もすぐに体験したくなった。 「私も行きたい」と言うと、八幡東区の会場のことを色々調べてくれて体験を予約することができた。 私の年齢では最年長だろうと思って行くともっと年上の女性たちが多いのには驚いた。 若い人から80代まで年齢が幅広く、みんな熱心に運動している。 器具やボードの運動が終わった後のストレッチ体操もまじめに行なっている。 インストラクターの方達も熱心に指導して感じ良く、活気がある雰囲気に刺激を受けてすぐに入会した。

 それからは夫がデイケアーに行っている間、私はWebaddictに行くのが日課になり、お陰でデパートに行く足が遠のいた。 バレーとエアロビクスで瞬発力に自信があった私は、インストラクターの指導通りにするだけでは物足りなかった。 ある日、全部の器具とボードの上で思いっきり全力で2周した。すると翌日から脱力感で何にもする気になれず、 家事もしたくない。とにかく体がきついばかりで、これが3日間も続いた。それでやっと分かった。 とにかくインストラクターが指導するには理由がある、と気づいた。 無理しないように、疲れが残らないようにしているのだ、と自分できつさを実感してやっと分かった。 それ以後はインストラクターの指導には理由がある、と素直に従っている。

 7月に入ってすぐに腰の痛みがなくなったことに気づいた。 腰が痛くて夫の杖を借りたいと思ったこともあったのに嬉しかった。 1週間のうちに3回位は通っているうちに、9月になると股関節の痛みもなくなった。 股関節には困っていたので本当に良かった。 12月の計測で骨格筋率が5位になったことを壁の張紙を見て知った。 それを見てやる気になり、来月は1位を目ざそうと頑張った。しかし、1月の1位は90歳の方だった。 夫の介護で、日帰り旅行さえ行けずにストレスが溜まりそうだが、

 Webaddictに行って運動に励む皆さんの姿を見たり、インストラクターたちの元気な顔と声を聞くと元気が出る。 いつかストレッチ体操をしている時「主人が亡くなり、息子も亡くなったのよ。 こんなことが自分に起きるなんて思ってもなかった」と話す声が聞こえてきた。 声の主を見ると70代半ば位の方だろうか、辛そうにされていた。 それを聞いて私は夫が生きているだけまだましだ、今からもう少し優しくしようと思った。 ねこ背はまだなかなか治らない。入会する時に「どうしても姿勢を治したいので厳しく注意してほしい」と伝えている。 インストラクターは私がトレーニングを始めるとすぐに「皆さん、腹圧を意識していきましょう。 お腹と背中をくっつけて肩の力を抜いて、頭が天井から引っぱられるように歩いていきましょう」と何度も言ってくれる。 これを聞くと、ハッと腹圧を意識する。 夫は右手足が不自由なため、左手に杖を持って歩く。その背中は丸まって老いて見える。 「背中をもっとまっすぐにして」と、私は一緒に歩きながらよく言っていた。しかし、いくら言っても一向によくならない。 気づくと、私はもう言わなくなり、その代わり私まで背中を丸めて歩くようになっている。 ねこ背は嫌だ、老けて見えると分かってはいるが、治すのは難しい。

 50代前半までシンプルで格好いい服が好きで似合っていた(と思う)。 しかし、三姉妹の長女の私が57歳の時に2歳下の妹が病気で3か月の入院後に他界した。 それまで真紅の口紅が好きで使っていたが、それからはベージュしかつけなくなり、落ち込んでうつむいて歩くようになった。 その5年後、私が62歳の時に4歳下の三女も病死した。 昔、私の実家は祖父母、両親、三姉妹の7人家族でにぎやかだったのに、今は私だけしかいない。 子供の頃の話をしたくても通じる相手が1人もいないなんて寂しい。 それからはアクセサリーもつけなくなり、洋服はグレーや黒っぽい色しか着けなくなった。 バレーの練習をする時だけが何もかも忘れて集中できる。 バレーを長く続けるためにも体力を維持したい。Webaddictでバレーの他のチームの人たちを何人も見かける。 やはり熱心にトレーニングしている。

 背すじがピンと伸びている人は若々しく見えて美しい。 私のねこ背が治るにはまだまだ遠いが、根気よくWebaddictに通いたい。
最近、道を歩くと「腹圧を意識して、頭が天井から引っぱられるように」という声が聞こえるような気がする。

感動したら、シェアボタンを押してください